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千葉 被災地に冷たい雨、“浸水想定外”の地域で死者が
25日の大雨で氾濫した千葉県茂原市の豊田川。この川に流された女性とみられる遺体が29日、発見されました。 「この場所で自転車を押した女性が流されるのが目撃されました。そしてきょうになって、ここからおよそ100メートルほど離れた場所で遺体が見つかりました」(記者) 「見つかったみたいだって聞いたから、よかったと思って。橋の上って水がないから、こんな流れになってると思わなかったんじゃないかな」(流された女性を目撃した住民) また、佐倉市でも遺体が見つかり、行方不明の80代の男性の可能性があるとみて、警察が確認しています。 さらに、“想定外の場所”でも死者が出ていたことがわかってきました。これは今月25日に千葉県の長柄町で撮影された映像。一帯が浸水し、車が何台も水没しています。水が引いたあとに撮影した映像と比べると・・・。丸をつけたあたりに青い車が止まっていて、車全体が水没してしまっていたことがわかります。これは別の角度から撮影した写真。青い車の天井付近まで水が押し寄せています。 「川の流れのような、人間が歩けないほど」(写真を撮影した男性) この車には、避難中の岩瀬長寿さん(88)が乗っていました。1人暮らしだった岩瀬さんは、高台に住む次男の家に向かう途中に動けなくなってしまったとみられます。 「『首まで(水が)きちゃったよ』との電話だった。このあと、電話がつながらなかった」(岩瀬さんの次男) 水が引いたあと、岩瀬さんは車の中で死亡しているのが見つかりました。命が奪われたこの現場、実は、町が作ったハザードマップでは、川の氾濫などで浸水が予想される場所、「浸水想定域」に含まれていませんでした。 「想定がそもそも違う。今回のような雨は想定していない。当時の50年に一度という雨量を想定したマップですので」(長柄町 蒔田功総務課長) ハザードマップはもともと、おおむね50年から100年に一度の雨を想定して作られていましたが、2015年に水防法が改正され、1000年に一度の大雨を想定するよう義務付けられました。その後、全国1583の都道府県管理の河川のうち、5割強の河川で想定浸水域の見直しが終わりましたが、千葉県では、26の河川のうち見直しが完了したのは1つだけ。残る25の川では作業中でした。 長柄町のハザードマップは県の浸水想定域をもとに作るため、2009年を最後に改定されていなかったといいます。浸水想定域の外にある自宅が水に浸かった住民は・・・ 「ここまで載ってないとはさっき聞いて知ったので、川が真横なんで、もちろん載っているものだと思っていたので」(長柄町の住人) 10年間改定されていなかったハザードマップ。長柄町で死亡した2人は、いずれも、そのハザードマップの浸水想定域の外で亡くなっていました。町は、今後、ハザードマップの改定を急ぎたいとしています。(29日17:30)…
情報元: TBS NEWS